昨日、2年ぶりとなる全日本CV勉強会(Japan Computer Vision Day 2013)が開催されました。
当日の様子(togetter)
http://togetter.com/li/540498
前半はCVPRの論文紹介+CVPR参加報告。
後半は留学体験およびグループディスカッションでした。
CVPR2013論文紹介
以下、私の発表資料です。
- Fast, Accurate Detection of 100,000 Object Classes on a Single Machine (Thomas Dean, Mark A. Ruzon, Mark Segal, Jonathon Shlens, Sudheendra Vijayanarasimhan, Jay Yagnik) (pdf)
@payashimさんは、
- Intrinsic Scene Properties from a Single RGB-D Image (Jonathan T. Barron, Jitendra Malik) (pdf)
- Perceptual Organization and Recognition of Indoor Scenes from RGB-D Image (Saurabh Gupta, Pablo Arbelaez, Jitendra Malik ) (pdf)
という研究を紹介されました。
発表資料はこちらです。
@yu4uさんは、
- K-Means Hashing: An Affinity-Preserving Quantization Method for Learning Binary Compact Codes (Kaiming He, Fang Wen, Jian Sun) (pdf)
という研究を紹介されました。
発表資料はこちらです。
@side_yuさんは、
- Finding Things: Image Parsing with Regions and Per-Exemplar Detectors (Joseph Tighe,Svetlana Lazebnik) (pdf)
という研究を紹介されました。
グループディスカッション
グループディスカッションはフリーテーマでだいたい4−7人くらいのチームで話しあうというものでした。
以下、私のいた第5グループのディスカッション内容です。
メンバー
@k_kozuka(企業研究者:画像検索)
@brgyk(企業研究者:組込み)
@q_taro(企業研究者:三次元)
@rezoolab(博士課程学生:確率論、最適化)
@takmin(フリーランス)
ディスカッションテーマ
アカデミックとビジネスをどうつなぐか
内容
ビジネスニーズ
- ビジネスは最先端は必ずしも必要ない。既存技術の組み合わせでも目的が達成出来れば良い。
- コンピュータビジョンをなんでも認識できる魔法のように誤解されることが多い。
- 実際の実用化はハードル高いのに。。。
- アカデミックとビジネスではモチベーションが異なる。
- お金儲けと論文を通すこと。
アカデミックの技術をビジネスへ応用
- 今の技術の制約を如何に現実の問題に当てはめるか。
- なんでも出来れば良いというものではない。
- 出口をどうやって見つけるか。
- 精度が良くても速度が悪ければ実用には使えない。(場合もある)
- 誰でもインプリできることも重要。
- ex. Deep Learningは処理時間かかる上にGPU必須。実装も大変。
- 精度が上がっても、ありえない制約の上では意味が無い。
- MSは理論としても完成していて、デモとしても面白い。
- Kinectはうまく出口見つけたな、と感じた。
- 条件をゲームに絞ることで、外部環境などを制限することに成功している。
ビジネスからアカデミックへの要望
- 本質的なことをやって欲しい。
- 論文を稼ぐためではなく。
- 発明は必要の母
- 新しい発明が新しいニーズを生む。
- 実用をどうするかは企業研究者が考えれば良い。
本質的な研究を増やすには?
- 理論をしっかり知るべき。
- 数学しっかりやる。
- 理論の研究にも本質的なものとそうでないものがある。
- 最初に新しい問題設定をするような研究
そもそも本質的な研究とは?
- 遠大な目標やビジョンが有り、各々の研究がその中に位置づけされている気がする。
- その人が持っている理念がある。
- 哲学が重要かも。
- アカデミックでは既存のものに如何にプラスαして新規性を出すかを考えているケースが多い
- 余計なことをしてしまう。
- インクリメンタル系の研究はつらい
- 従来のものを段々解決していくが、でもどんどん複雑になっていく。
- 問題設定を新しく作った人が日本人には少ない印象。
- CMU金出先生、MIT石井先生
- 例:医療の場合、機械にしかできないことを解く
- 「医療とはこうあるべきだ」というビジョン。
- MITメディアラボに訪問した
- 独創的な研究が多い。
- 外す研究が許容されている
- 「これなんの役に立つんだよ」をいわない。
企業の研究所の課題
- 2-3年くらい自由にまとまった研究する時間をもらえるが、 2-3年後の審査でそのプロジェクトを継続するかどうかが決められる。
- 政治的に決まることもある
- ビジネス側がアカデミックの成果をそこまで吸収できてない。
- 大学の最先端研究についていけてない。(自分の得意分野から外れれば外れるほど)
企業の研究所の役割
- ちょっと深く広く。
- 何年後かにお金に変わって欲しい。
- アカデミックの成果を取捨選択。
- 企業は研究を博打と見る。
- 10個のうち数個ものになれば良い。
- 企業とアカデミックでは見ている時間が違う。
上記の意見は、ディスカッションで出てきた内容を並べただけなので、僕の意見も入ってますが、必ずしも僕の意見ではありません。
正直、もう少し時間があればもっと議論を掘り下げられたかなと感じます。
特に、今の企業の研究所の何が問題か、といったところが議論の途中でタイムアップになってしまいました。
最後に
主催の@ttttamaki先生、@charmie11さんありがとうございました。