takminの書きっぱなし備忘録 @はてなブログ

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教育機関としての大学の差別化ポイント

【科学的に分析し、哲学的に判断し、工学的に実行する】の続き


ここからはちょっと余談。
前回までは学問を「科学」、「工学」、「哲学」、「論理」の4つに分類して、それぞれがどのような学問かということと、そこで取られる思考方法について説明した。


これらの思考方法というのは一朝一夕で身につくものじゃない。教育機関としての大学の差別化のポイントの1つは、こういう思考方法を身につけるための訓練の場を提供するということじゃないかなと思う。


最近はCourseraUdacityなどオンラインで受講できる講義が増えてきた。僕もUdacityを受けているけど、下手な大学の授業よりも説明がわかりやすいし、高い学費も払う必要がない。それこそインターネットさえ繋がっていれば、こういう一流の講義が受けられてしまうわけだから、これからもこういうネットで勉強する人はどんどん増えていくんじゃないかなと思う。

また、社会に出てすぐに役に立つ実践的なスキルが欲しいということで、専門学校生との二足のわらじを履いてる学生も多い。


だけど、本当に学問を「身に付ける」ためには、受動的に授業を受けているだけでは難しい。能動的にこういう思考方法を使っていかないと、なかなか身につくものじゃない。こういう学問的な考え方を身につける一つの方法として、研究という自分で考えて自分で実践するという場、つまり大学の研究室やゼミといった組織があるんじゃないかと思う。これは研究機関を持つ大学だからこそ提供できる、他の教育機関と差別化できるポイントだ。


これは、自分が修士の頃に自分の研究や発表についてダメ出しされて揉まれたことが、実際社会に出て色々な場で役に立ったという実感からも強く感じている。


もちろん、こういう思考方法は会社に出てから実践を通して身につけることはできるし、実際大学で真面目に勉強しなった人や大学を出ていない人でもこういう考え方を身につけている人は多い。ただ、こういう人達はたまたま自分でそういうことを考え方をする素養があったり、良い上司に恵まれたり、といった事情があったろうと思う。一方で、大学ではこういう考え方を意識して身につけざるを得ない。

まとめ

  • 大学が他の専門学校やオンライン大学などと差別化するポイントの1つは、ゼミや研究室などを通して汎用的に役立つ思考方法を身につけさせることではないか。